2020.12.28
2020年度は激動の一年となりました。新型コロナウイル感染症の拡大が社会へ及ぼした影響は大きく、私たちの活動する東備地域においても、飲食業、観光業をはじめとする多くの企業が打撃を受け、家庭における不安は計り知れないものとなりました。
そのような中で、私たち備前青年会議所がやるべきことは何なのか、自粛要請やイベントの中止が相次ぐ中でも立ち止まることなく、状況を見極め、メンバーと話し合い、多くの事業を実行へと移せたことは、本当に大きな収穫であったと思います。
自分たちが率先して行動することで地域は変わっていく。2020年度はその可能性をメンバー自身が一番に感じた一年ではなかったでしょうか。
備前青年会議所で主流となっていた計画(Plan)、実行(Do)、評価(Check)を経て改善(Act)を行うという手法は、アイデアを思いついた時点ですぐに実践することができず、改善を反映するまでに時間がかかっていました。また、過去に実施した事業を評価することで改善案を生み出すため、全く新しいアイデアが生まれづらいという、私たちにとっては、致命的な負の状況へと陥っていました。
備前商工会館での理事会
2020年度は、その負の連鎖からの脱却を図るべく、OODAループのメソッドを導入しました。まずは地域の観察(Observe)として、行政や各地団体との意見交換などを通して、問題の発見を行い、データ収集も積極的に行いました。その後、観察をもとに状況分析や今後の方針を策定(Orient)し、具体的な戦略や行動についての意思を決定(Decide)、地域の皆さまの協力もいただきながら実行(Act)へと移していきました。
社会が停滞し、素早い判断と行動が必要とされる中、この新しいメソッドの導入により、状況に応じた事業展開を実現することができたのです。
オンラインを活用した会議
活動エリアである備前市、瀬戸内市、赤磐市、和気町の各地でそれぞれ一つの事業を行うという計画は、「わんぱく相撲東備和気場所(和気町)」、「U―9 AKAIWA SEVENS CUP2020(赤磐市)」の開催中止に伴い、実現することはできませんでしたが、各市町長、商工会議所、商工会、観光協会等と積極的な意見交換を行い、事業実施の際には、告知、参加者の募集、情報提供など多くの面で連携をとることができました。
また、行政や各地団体へ向けて、事業報告と合わせて提言を行った結果、備前市では私たちの提言を取り入れた事業が実施され、瀬戸内市では新たな補助金制度が設けられるなど、青年会議所としてあるべき姿を示すことができました。
備前市・田原 隆雄 市長と
瀬戸内市・武久 顕也 市長と
赤磐市・友實 武則 市長と
和気町・草加 信義 町長と
さらに、備前市では、8月より総合計画策定に向けての市民会議や旧アルファビゼンの跡地活用検討会議へ直々の参加依頼を受け、11月には創学350年を迎えた旧閑谷学校の記念事業として開催した、「蕃山〜方谷サミット in 閑谷学校」に実行委員として参加するなど、文化・教育面にも通ずる青年経済人の団体として存在感を示し、良好な信頼関係を構築することができました。
市民会議で発表する有本 和敏 副委員長(有本建設 株式会社)8月29日(土)
蕃山〜方谷サミット in 閑谷学校 11月28日(土)
年初に掲げた通り、備前青年会議所の広報は「伝わる」ものへと進化を遂げたと感じています。新聞折り込みを活用したJCニュースは、活動エリアである備前市、瀬戸内市、赤磐市、和気町の約35,000世帯へ、計5回届けられ、私たちの存在をより身近なものに感じていただけたと実感しています。
JCニュース(Newyear号) 1月30日(木)発行
JCニュース(Spring号) 5月 1日(金)発行
JCニュース(Summer号) 9月10日(木)発行
JCニュース(Autumn号) 10月23日(金)発行
JCニュース(Yearend号) 12月10日(金)発行
私たちが今何をしているのか、正しい情報をお伝えするために、ホームページに掲載した記事は70件を超え、フェイスブックの更新は350回以上を数えました。
事業と連動したメディア戦略も功を奏し、新聞への掲載は実に9回。テレビや雑誌、ネット記事でも多くの事業を取り上げていただきました。
状況を見極めながら行った積極的かつ効果的な情報発信により、備前青年会議所の認知度は確実に上昇したと言える一年となりました。
台湾メディアによる芸術交流展の報道 4月12日(日)
備前青年会議所だけでなく、行政や関係諸団体を委員に加えた実行委員会を組織するなど、新しい運営体制を整えていた「わんぱく相撲東備和気場所(和気町)」と「U―9 AKAIWA SEVENS CUP2020(赤磐市)」。2020年度、対外事業の二本柱は生憎の開催中止となりましたが、2月に開催した「備前プレーパーク 子どもの遊び場つくり隊」では、奉仕活動にゲーム要素を盛り込み、子どもたちとともに楽しみながら事業を実施するという新しい事業形態の提案にもなりました。
備前プレーパーク 子どもの遊び場つくり隊 2月15日(土)
(前編・後編)
また、8月には備前青年会議所に縁のある「吉永町スポーツ少年団ソフトボール交換大会」の優勝旗棒を新たに新調し、9月に開催した「日台芸術交流展」では、文化祭の縮小により、十分な作品発表ができなかった朝日塾中等教育学校カメラチームの生徒たちに、会場の一部を提供することで、写真展を同時開催するに至りました。
これまでと形を変えた青少年育成事業でしたが、事業を見直すきっかけともなり、今後の可能性を模索する上で貴重な経験となりました。
ソフトボール大会優勝旗棒贈呈 8月8日(土)
Asahijuku Camera team 写真展 9月13日(日)〜22日(火・祝)
海外姉妹JCである台湾・屏東國際青年商會。人的な交流は叶いませんでしたが、4月には、備前より作品を送り、屏東演舞場で「台日藝術交流在屏東」を、9月には屏東より作品を受け取り、瀬戸内市美術館で「日台芸術交流展−「陶」と「彫」−」を開催しました。
台日藝術交流在屏東 4月11日(土)〜19日(日)
(前夜編・開幕編・作家編)
出品に際しては、備前JCシニアクラブの先輩方12名にもご協力をいただき、日本展では、来場記念品として台湾の形を模した備前焼箸置きを先着100名にお配りしました。多くの方にご来場いただくだけではなく、広く日台のメディアにも取り上げていただき、備前青年会議所の活動を知っていただく良い機会にもなりました。
日台芸術交流展−「陶」と「彫」− 9月13日(日)〜22日(火・祝)
(開幕式・作品集)
また、6月にはこの友好関係がご縁となり、台湾・屏東縣政府より備前市へ、コロナ対策としてフェイスシールドやゴーグルなど医療物資300点の贈呈があり、備前青年会議所と屏東國際青年商會でその橋渡しを務めさせていただきました。
NHK岡山による報道 7月10日(金)
オンラインで備前と屏東を結ぶ機会も3度あり、わずかな時間ではありましたが、屏東メンバーの皆さまと親交を深めることもできました。遠く離れた地で活動する両者ではありますが、深い信頼と友情は今後も変わることなく続くものと確信することができました。
屏東國際青年商會・曾煜譡 会長と