2021.12.26
【はじめに】
新型コロナウイルス感染症の脅威を知ることとなった2020年。多くの不安が渦巻くなか、その逆風を力に変えるべくスローガンを「こいのぼり」~逆境に負けない!新たな価値の共創~と掲げスタートを切りました。
しかし、年初からの新型コロナウイルス感染症のさらなる拡大は、備前青年会議所の活動にも影響を受け、当初計画していた事業は、中止や変更を余儀なくされるなど、委員会・会議体の対応にメンバーも苦慮されたかと思います。
そのような中で、何が出来るかをメンバーで考え活動できたこと、平時では経験できない有事だからこその多くの判断や経験は、備前青年会議所メンバーに多くの気づきを与えてくれた一年となりました。
そして、今夏の「第5波」を乗り越え、国民の8割近くがワクチン接種を完了した今こそ、社会経済活動の回復とさらなる活性化に向けた取り組みが求められるのではないでしょうか。
【地域の魅力を知る】
1月に備前市と協働で行ったプロジェクトでは、ロンドンの日本食レストランでヨーロッパ初のミシュラン二つ星を獲得された石井義典シェフを備前市にお招きし、地域を巡りながら出会った食や文化、人と触れ合いを通じて備前の魅力や可能性について、様々な方と意見交換をし、各箇所で地域活性化のヒントをたくさんいただきました。
また7月には備前商工会館から、約16キロ離れた頭島の「ひなせうみラボ」を目指して、歩きながらゴミ拾いを行う事業を実施しました。新会員のメンバーが企画から実施までを担当し、チームのリーダーとなってメンバーを引っ張ってくれました。
ゴミ拾いをしているときには、地域の方に声をかけていただいたり、休憩で真魚市に立ち寄った際は、住民の生の声を聞け、地域の課題や住民の思いを知る事ができました。
本来、我々はゴミを拾う団体ではなく、ゴミを捨てさせない世の中にしていくべく団体です。主体的に地域をよくしていこうとする住民を応援する。備前青年会議所がそのきっかけを作ることで、住民と行政の役割分担が上手く出来れば、官民で協力し合えるようになっていく。こうして、地域の人たちの悩みや課題の解決、希望や願いの実現をしていくことが重要だと強く感じることが出来ました。
【主権者意識醸成プロジェクト】
2021年度は、備前青年会議所の活動エリアである備前市、赤磐市、瀬戸内市で市長選挙、市議会議員選挙が行われることを受け、若年層の政治への関心を高め、投票率アップを目指そうとプロジェクトを始動しました。プロジェクトでは、和気閑谷高校の生徒たちと意見交換を重ねながら、備前市の選挙では、立候補予定者へのインタビュー動画をSNSやウェブに掲載し、広報誌を作成して新聞折込として備前地域へ配布をしました。
選挙や政治は自分の生活に直接の関係がないとの認識を持っている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、私たちの日常生活には、環境、交通、住宅、教育、物価 その他さまざまな問題が密接していて、これらの問題の解決に政治が直結していることは厳然たる事実です。私たちの生活をより向上させるためには、自分自身が努力することはもちろんのこと、政治に関心を持ち、政治に対して意思表示をすることが重要なことではないでしょうか。
今回、さまざまな取り組みをもって、選挙を盛り上げようと試みましたが、赤磐市の投票率は57.52%で過去最低を記録。備前市でも59.96%という前回選挙を下回る厳しい結果となりました。主権者意識を醸成しようという取り組みは、かなり難しいテーマであると痛感いたしました。今回の経験を活かし、新たなアプローチで少しずつでも地域の皆さまに政治や選挙への意識を高められるような継続的な活動が必要だと思います。